ラジカル制御型塗料とは“ラジカル”の発生を可能な限り抑制し、塗膜の劣化を防止する性能から名付けられたまだ新しい塗料です。

ラジカルとは従来の塗料にも含まれている酸化チタンという物質が熱や紫外線、水や酸化現象により引き起こされる劣化因子のことで、劣化現象の一つとしてよく挙げられる“チョーキング現象”を発生させる物質です。

つまりラジカル制御型塗料の最大の特徴はラジカルの抑制にあり、紫外線や雨風に当たっても耐久性が高いために劣化のスピードが遅いというところにあります。

従来の塗料は新しい機能が加わると比例して価格も高価になっていましたが、ラジカル塗料は一般的な塗料と価格は大きく変わらないという所も魅力の一つでしょう。

2012年頃に発売された新しい塗料ですが、相性の悪い下地が無いとされており、アルミや銅板などの金属に塗装が可能な点や、前提の性能の高さから飛躍的に普及した塗料であるため、長期的にみた実績はそう多くありません。

塗膜寿命を延ばすには艶消しを行わないことや、黒や紺など濃い色だとラジカルの抑制効果を十分に発揮しないという注意点はありますが、塗料の伸びが軽くて飛散しにくい点も含めて今後普及率は一層増えると考えられる期待の塗料です。