一般的に足場とは地面から水平に組み立てられているものをイメージする方が多いのではないでしょうか。

通常の現場で施工される足場は地面から上に組み上げていくものですが上部から足場を吊り下げる“吊り足場”という足場があります。

吊り足場は高所作業を行うときや通常の足場を組むことが難しい場所において重宝されている方法で、マンションや戸建て住宅以外にも造船現場やプラント工事など広範囲にわたる作業に適しているとされています。

他の足場と比べると地面との接点がないため不安定になりやすく、高い技術が要されるため作業主任者の資格や玉かけ技能講習修了者が必要で、徹底した安全基準が設けられています。

「労働安全衛生規則」では、吊り足場を作成するための材料や構造の詳細が定められており、ワイヤーを構成する「素線」という部分の断線が10％を超えている、直径断面の減少が7％を超えていたりするものやチェーン、製造時に比べて5％以上の伸びが生じているものは使用できないなどあります。

吊り足場を用いるということは通常の足場以上に知識や経験、しっかりとした管理で施工から解体まで行える技術を要するため、経験豊富な業者であるという判断基準にもなるでしょう。